福岡県福間津屋崎子ども劇場での実践
1.テーマ
『静寂の中で、耳を澄まして「音」と遊びましょう!』
音を聴いたり、音を集めたり、音を作ってみたり、あなたのそばの音たちと友達になりましょう。
2.内容
自然の音を聴こう、素敵な音を見つけよう
第一回(2003年12月26日)
どんな音が聴こえるかな?
1、素敵な音をいっぱい見つけよう…音を探し,表記し、発表しあう。
2、一番好きな音はどんな音?…自分が一番好きな音を実際に音にし,発表する。
第二回(2004年2月1日)
自然の音で遊ぼう
1、寝転んで音を聴いてみよう…森の静けさを感じてみよう。
2、森の素敵な音を探してみよう
3、森のすてきな音でリズムアンサンブルを楽しもう
イヤーゲームを組み込んだキャンプを行う。
第三回(2004年2月21~22日)
1、名前呼びゲーム…呼ばれたのは誰?
2、サウンドスケッチ…歩きながら見つけた音を色や形、擬音などで表記する。
3、安らぎポイント探し…安らぎポイントへ行って、自分の描く譜を作成する。
4、音風景作品つくりと発表…安らぎポイント同志でグループを作り、グループの描く譜を作成する。音具などを利用し、イメージに合った音を探し、グループで演習し、発表しあう。
5、ボディパーカッションを楽しもう…身体も素敵な楽器になるね
6、夜のキャンプ場の静けさを感じながら、星を見る。
3.三回講座を終えて
福岡県の福間津屋崎子ども劇場の方からの依頼を受け、行なった。参加者は、下は4歳の幼児から、小学生、高校生、大学生、お母さん方まで、幅の広い年齢層であった。毎回35~36人の参加者があった。参加者と私とは、初対面であり、またイヤーゲームという聞きなれない言葉や、見えないものを、形という見えるものにしていくという作業や、改めて音を聴くということに、少し戸惑いをみせ、硬くなっていた参加者の方々も、二回目、三回目と回数を重ねるにつれ、それぞれの良さを表現するようになり、それらを共有し、共感しあう中で、より充実感を感じ、集団の絆も深まっていった。
第一回の、音を聴くところでは、舎利蔵というなぎの原生林のある場所へ行った。自然の音を聴くことで、自然の中にあるたくさんのきれいな音に改めて気づき、風の音や木々のそよぎの音や枯れ葉がころがる音の中にリズムを発見しました。また、音を形として表すことで、自分は、音をこう理解していたのかと気づいたという感想も聞かれました。自然の音を聴くことは楽しいな、リラクゼーションにもなるなと言いあいながら帰ってきました。
第二回は、とくに、森の中にあった木や葉っぱや、持って行った音具などを使ってのリズムアンサンブルが好評でした。自分たちで音楽を作る事が出来るということが、特に新鮮だったようでした。若者グループは若者らしく、レゲエ風のアンサンブルになったり、お母さんグループは意外と乙女チックだったりと、新しい発見もありました。もっとリズムアンサンブルの時間がほしかったという声も聞かれました。
第三回は、キャンプの中で行われました。音風景作品作りが中心となりました。サウンドスケッチにも慣れてきました。見つけた音を、どの音具を使ってどのように再現し、表現していくか、グループでの話し合いも、熱の入ったものとなりました。参加者の方々は、他のグループの作品がどんなものであるかに興味深々で、発表のたびごとに、予想を超える作品の完成度の高さにどよめきが起こりました。夜には、身体を使ってのボディパーカッションでアンサンブルを作り、身体もりっぱな楽器だということに気づき、楽しみました。また、みんなで寝転んで見た星空と静寂も印象深く心に残りました。
まとめ
この一連の講座を通じて、毎日の慌しい生活の中で見過ごしにされている「小さな音」「自然の音」に耳と傾けることの楽しさや、自然の音の美しさやその表情の豊かさを知り、自然とともにいることの心地よさを感じました。また、グループでリズムを作り出し、音風景作品を作り出したという満足感と一体感を感じたという声も聴かれました。私自身もまた、子ども劇場の方々とのこの講座を通して、たくさんの発見と感動をいただきました。今年度も引き続き、二回のキャンプが予定されております。ありがたいことです。今年度は、星のメロディや木の葉のメロディなどメロディー作りもしたいのですが、楽器がいりますので、それをどうするかが今の課題です。